こんにちは。ちょこっと共済ライターチームです。
この記事で分かること。
・東京都の自転車に関する条例や取り組みの種類

まとめ

東京都は2021年05月21日に、「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」に基づく「東京都自転車安全利用推進計画」を改定しました。2022年2月18日現在確認できる政策や条例、取り組みは10種類です。
東京都の条例では、自転車保険(自転車損害賠償保険)に加入に対する罰則はないものの、義務となっています。この「義務」は、東京都内に住んでいない人でも、東京都内を走行する時は守らなければなりません。また、何よりも、万が一自転車事故を起こしてしまった時の備えとして保険・共済への加入をおすすめします。

ちょこっと共済は、東京都の39市町村が共同で運営する公的な交通災害共済で、交通事故に遭い治療を受けた会員に対して見舞金を支給する制度です。
500円から加入出来ます。万が一の事故に備えてご検討ください。

日常的に自転車を利用している人や利用する予定のある人は、自転車に関する条例を知っておくと、さまざまなケースで役立ちます。
東京都では、自転車に関する条例に基づき、さまざまな取り組みが行われています。
本記事では、条例や取り組みについて具体的に解説します。ぜひ参考にしてください。

東京都の自転車に関する条例や取り組みは主に10種類

東京都は2021年05月21日に、「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」に基づく「東京都自転車安全利用推進計画」を改定しました。これは自転車の安全な利用に向けた社会全体の取り組みを推進していくための計画です。東京都都民安全推進本部のホームページで、2022年2月18日現在確認できる政策や条例、取り組みは10種類。次項以降で、それぞれを詳しく解説します。

東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例

自転車に関連する事故の多発や一部の自転車運転者の危険行為・迷惑行為が、社会問題になっています。そこで、交通ルールの厳守や点検整備の実施など、自転車利用者が守るべき事項を明らかにした条例です。第15条では、児童や高齢者が自転車を安全に正しく利用できるよう、保護者は指導や助言をするよう努めなければならないことが記載されています。具体的には、乗車用ヘルメットの着用を守るよう児童や高齢者に指導・助言することなどが、保護者に求められています。

東京都が自転車保険の加入を義務化

2019年9月に「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が改定された時、上記条例内に「自転車損害賠償保険等への加入を義務化」(施行は2020年4月から)が加えられました。東京都に限らず、全国で自転車保険(自転車損害賠償保険)加入の義務化が加速しています。その背景には、自転車事故が多発による高額な損害賠償の支払いを命じられるケースが増えており、社会的な問題になっているからです。

東京都自転車安全利用推進計画

自転車の安全利用を推進する計画です。社会全体の取り組み結果としての数値目標が定められており、具体的には2021年度から2025年度までに、東京都内の自転車乗用中死者数18人以下(2020年34人)、自転車事故発生件数7000件以下(2020年1万407件)、駅前放置自転車台数1万5000台以下(1万9487台)を目指すことが明記されています。新事項としては、成人層に向けた広報活動による安全利用の啓発や、危険な違反行為に対する取り締まりの強化、運転用ヘルメット着用の啓発強化などが、盛り込まれています。

東京都自転車安全利用指針・東京都自転車点検整備指針

「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」に基づき、「東京都自転車安全利用指針」と「東京都自転車点検整備指針」が公表されています。東京都自転車安全利用指針では、安全走行のための技能や交通ルールの内容、その指導・助言の仕方などを知ることができます。一方、東京都自転車点検整備指針には、安全利用のために日常的・定期的に点検整備すべき項目や方法などについて学べます。なお、下記の警視庁や警察庁のホームページでも、自転車の交通安全について情報が公開されています。

自転車関連事業者の登録制度

「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」に基づき、自転車の安全利用に関する基準に適合している事業者の登録を行う制度です。メッセンジャー・自転車便や自転車タクシー、レンタサイクルなどの事業者が対象。登録事業者は、従業員に対する研修や自転車の点検整備、安全利用のための適切な業務命令、事故被害者への賠償に備えた保険加入などの対策をとっています。

東京都自転車対策懇談会

2012年2月公表の「東京都自転車総合政策検討委員会報告書」で示された、交通ルールの遵守・マナーの向上や放置自転車の改善などのさまざまな課題について、議論する場として設けられた懇談会です。複数回にわたって開催され、東京都は懇談会からの提言を受け取っています。また2016年には、東京都自転車安全利用推進計画に盛り込まれた対策の実効性を高めるとともに、専門家の知見を取り入れ効果的な施策を展開するために、専門家会議が数回にわたって開催されています。

「自転車安全利用に関する意識調査結果」の公表

東京都民の自転車安全利用に関する意識や行政・関係事業者などに対する要望を把握し、今後の自転車施策の展開に役立てるための調査を実施、結果を公表しています。調査には「都の責務として、交通安全のため、条例を改正するだけでなく、施策を充実させるべきだ」「『自転車は車両』であることを、まだまだ強く説明する必要がある」など、7通の意見が寄せられました。なお、「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」の改正に反対する意見はありませんでした。

東京都自転車総合政策検討委員会報告書

自転車の安全な利用に関する課題や方策の検討を目的とし委員会が設置され、2012年2月に「東京都自転車総合政策検討委員会報告書」としてまとめています。同報告書には、都民は責任ある交通社会の一員として自転車の安全利用に努めること、事業者は利用環境の整備についてそれぞれの責任を分担すること、行政はハード・ソフト両面での利用環境の整備することが記載され、それぞれの責任を明確にしています。また、主な施策と方向性として「交通ルールの遵守・マナー向上」「放置自転車の改善」「安全な走行空間確保」「自転車の安全性向上」「事故への対応と加害者責任、ヘルメット着用の普及」を挙げています。

「自転車の安全利用推進総合プラン」の策定

自転車の交通事故や歩道における無謀な(危険な)運転が、社会課題となっています。対策プランとして、「交通安全を最重視する」「地域特性に応じた対策を実施する」「都民・事業者・行政が一体となって取り組む」の3つの基本方針を掲げ、①交通ルールの遵守・マナーの向上。②放置自転車の改善。③安全な走行空間の確保。④自転車の安全性の向上の4つの視点による、具体的な対策をまとめています。例えば、早期に取り組むべき対策として「ルールを守らない利用者に対する指導警告、取締りの強化」が挙げられ、ペナルティの仕組みをつくる対策案が紹介されています。

「自転車交通安全利用マニュアル」の作成

東京都は、中学生・高校生に向けた交通安全教育を支援するために、教師用のマニュアルを作成しています。「第1章 交通安全教育の目標」「第2章 自転車交通安全教育の基本」「第3章 自転車交通安全教育(指導事例)」の3章構成になっており、生徒をはじめとした児童の交通ルール遵守やマナー向上に活用できます。第3章では、「①学習シートを配り、短時間指導を繰り返す ②ワークシートを使って理解度を確認する」というように、交通安全指導のモデル案が紹介されています(しかも参考のワークシート付きです)。

自転車駐輪場情報の提供

駐輪場以外の自転車の駐輪・放置が、社会問題になっています。東京都は、自転車利用者による駐輪場の利用促進を目的として、区市町村の協力を得て都内の自転車駐輪場の情報(場所や営業時間)を収集、「公開データ」として提供しています。公開データは、東京都のインターネットサイトでダウンロードできる他、複数の事業者などがインターネットの地図サービスと連携させているものを、確認できます。

まとめ

本記事では、東京都の自転車に関する条例や取り組みについて、解説してきました。東京都の条例では、自転車保険(自転車損害賠償保険)に加入に対する罰則はないものの、義務となっています。この「義務」は、東京都内に住んでいない人でも、東京都内を走行する時は守らなければなりません。また、何よりも、万が一自転車事故を起こしてしまった時の備えとして保険・共済への加入は必要と言えるでしょう。

ちょこっと共済は、東京都の39市町村が共同で運営する公的な交通災害共済で、交通事故に遭い治療を受けた会員に対して見舞金を支給する制度です。
東京都の市町村に住民登録のある方なら年齢・健康状態に関係なくどなたでも加入することができ、会費は年額1,000円または500円と大変安価です。
万が一の事故に備えて、お守り代わりにぜひご加入されてはいかがでしょうか。