共済とは
共済とは何か。共済の概要と種類について、わかりやすく解説します。
概要
共済とは、特定の地域の住民や特定の職業に就いている人たちが組合員となって助け合う仕組みです。「共済」という言葉には「力を合わせて助け合う」という「相互補助」の意味があります。保険と異なり、非営利事業で、組合員等が出し合った資金(掛け金)で保障を行います。掛け金の金額は、生命保険や医療保険の保険料と比べて割安です。
種類
共済には、生命共済(生命や健康に関する保障)や傷害共済(事故やケガなどの保障)、年金共済(老後の生活安定のための保障)など、生命保険と同じような保障が受けられる生命保障分野の共済と、火災共済(火災などの災害で受けた損害の保障)や自動車共済(自動車事故に関する保障)など損害保障分野の共済があり、さまざまなリスクに備えることができます。
生命保険とは
生命保険とは何か。生命保険の概要と種類について、わかりやすく解説します。
概要
生命保険とは、保険料を支払うことで、自分や家族の生命・健康にかかわる万が一のことが起きたときに金銭的な保障(保険金・給付金)を受けられる仕組みです。「相互扶助」の精神にもとづいており、多くの人が公平に保険料を負担し合うことで、必要な人の手元に大きな保障が届けられます。
種類
生命保険には、死亡保険、生存保険、この2つを組み合わせた生死混合保険の3タイプがあります。ほかにも、病気やケガによる入院費や手術費を保障する医療保険、がんを対象にした保障を行うがん保険などさまざまなタイプがあり、扱う内容は保険会社により異なります。中には、貯蓄にも活用できる積み立てタイプの生命保険もあります。
役割と必要性
私たちの生活には、死亡、病気やケガ、介護など多くのリスクがあります。万が一のときのための資金を、事前に自分だけで十分に確保しておくことは難しいですが、保険であれば加入したその日から大きな保障を得ることができます。また、積み立てタイプの生命保険であれば、将来の老後の資金を準備することも可能です。
共済と生命保険の違い
共済と生命保険の違いについて、制度面と用語の点からわかりやすく解説します。
制度
共済と生命保険は、根拠法(どの法律にもとづいて運営されるか)と監督官庁が異なります。共済は、それぞれの組合が従う根拠法のもとで運営され、監督官庁も組合によって分かれています。一方、生命保険の根拠法は保険業法で、監督官庁は金融庁です。
用語
共済では、保障事業のことを「共済」と呼び、「共済金」「掛け金」「割戻金」「加入者」という用語が使われます。
それに対して保険では、保障事業のことを「保険」と呼び、「保険金」「保険料」「配当金」「契約者」という用語が使われます。
共済と生命保険の比較ポイント
共済と生命保険、それぞれのメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
共済のメリット・デメリット
掛け金が一律で、金額も保険と比べて割安です。毎年、「割戻金」として掛け金の一部が還元されることもあります。基本的にパッケージ化されているため、保障内容がわかりやすいこと、加入時の告知(健康状態の報告)が緩やかな点もメリットです。一方、プランのカスタマイズ性が少ない、保障金額も少ないなどのデメリットもあります。
生命保険のメリット・デメリット
種類が多く、特約を組み合わせることで、自分の目的や状況に合わせた手厚い保障を受けられます。
一方、保険料が割高、さらに年齢が上がるにつれて保険料も上がっていく、加入条件が多く健康状態や職業によって加入が制限されるなどのデメリットもあります。
共済と生命保険はどちらがおすすめ?
前述のメリット・デメリットを踏まえたうえで、共済と生命保険、それぞれの向いている人を解説します。
共済が向いている人
独身など扶養の必要がない人や十分な貯金があり掛け金を少なくしたい人、最低限の保障で備えたい人など、手厚い保障を必要としていない人は共済に向いています。ほかの保険に加入しており、不足分を追加で保障したい人にもおすすめです。また、持病があるなどの理由で、保険で加入制限を受けた人も検討すると良いでしょう。
生命保険が向いている人
高い保険料を払っても、手厚い保障を受けたい人は保険に向いています。保険なら、さまざまな特約の追加で自分に最適な保障をオーダーメイドすることもできます。また、より今の時代に合わせた最新の保障を利用したい人も保険向きです。
タイプ別のおすすめの保障タイプ・プラン
ライフステージによって必要な保障内容は異なります。各ステージにおけるおすすめの保障タイプ・プランを解説します。
独身の人
社会人になりたての独身の場合、多くの掛け金を支払う余裕がないことも多いでしょう。その場合は、万が一の病気やケガに備える医療保障を中心とし、最低限の保障にしぼると良いでしょう。遺族保障については、必要最低限(葬式代など)を備えるのがおすすめです。
結婚した人
結婚したら自分とパートナーの保障を見直すタイミングです。医療保障は、自分の医療費に加えて、入院などで働けない間の生活費についても考慮する必要があります。また、万が一のことがあった場合に備えて、遺された配偶者が不自由なく生活していけるように死亡保障を検討することも必要です。
出産・子育て中の人
子どもが生まれたら、再度、保障を見直すタイミングです。医療保険は、入院などで働けない間の生活費についての保障もプラスする必要があるかもしれません。また、万が一のことがあった場合に備えて、子どもが独立するまでの生活費、さらに子どもの教育費を備えることも重要です。
子どもが独立した人
子どもが就職や結婚して独立したら、生命保障、遺族保障を見直すタイミングです。
生命保障、遺族保障の必要額は減りますが、一方で老後の生活や医療費の増大などを考慮した老後保障や、家族に負担をかけないための介護保障が必要になってきます。
セカンドライフを迎えた人
高齢になるほど病気やケガで医療費が必要になることや、介護が必要になる可能性が高くなります。それらに備えるために、定年退職後は生命保障を必要最低限にし、医療保障や老後保障、介護保障を中心に備えると良いでしょう。
迷ったときの相談方法
前述してきたとおりいろいろな共済と保険があり、特徴もそれぞれです。
迷ったときの相談方法を解説します。
気になる商品がある場合
気になる商品を取り扱っている共済の運営団体や保険会社の担当者に相談するのがおすすめです。担当者の説明を受けながら、加入条件を満たしているか、自分に必要な保障があるか、費用は適切かなどを検討すると良いでしょう。
どれを選ぶべきかわからない場合
まずは加入目的を明確にし、中立な立場で提案してくれる専門家に無料相談する方法が有効です。保険相談窓口には必ず専門家がおり、何回でも無料で利用できます。専門家の中立的な意見を参考にしながら、自分に適した共済や保険を見つけていきましょう。
まとめ
4種類の代表的な共済を取り上げ、それぞれの特徴も紹介しましたが、ライフステージによって必要な保障内容は異なります。本記事の内容を参考にしつつ、保険相談窓口なども利用して、自分に適した保障を見つけましょう。
ちょこっと共済は、東京都の39市町村が共同で運営する公的な交通災害共済で、交通事故に遭い治療を受けた会員に対して見舞金を支給する制度です。
東京都の市町村に住民登録のある方なら年齢・健康状態に関係なくどなたでも加入することができ、会費は年額1,000円または500円と大変安価です。
万が一の事故に備えて、お守り代わりにぜひご加入されてはいかがでしょうか。