こんにちは。ちょこっと共済ライターチームです。
この記事で分かること。
・通学中の怪我や事故に利用できる保険や範囲
・通学中の怪我や事故の保険金の請求方法
・災害共済給付制度を受給する際の注意点

まとめ

通学中の事故として圧倒的に多いのは、交通事故です。通学中の事故や怪我は、ほとんどのケースが保険の対象となります。
通学中の怪我や事故の保障として、災害共済給付制度が利用できます。災害共済給付金の請求から給付の流れの中で保護者がしなければならないことは、医師から「災害報告書」「医療等の状況」の2種類の書類を受け取り、それを学校に提出するだけです。
しかし、給付対象の条件があることから対象外となるケースがあります。公的な交通災害共済制度である、「ちょこっと共済」も含め複合的に備えることをおすすめします。

ちょこっと共済は、東京都の39市町村が共同で運営する公的な交通災害共済で、交通事故に遭い治療を受けた会員に対して見舞金を支給する制度です。
500円から加入出来ます。万が一の事故に備えてご検討ください。

通学中の怪我に保険が使えるか気になる保護者の方も多いでしょう。結論から言うと、通学中の事故や怪我は、ほとんどのケースが保険の対象となります。
本記事では、子供が通学中に怪我や事故に遭ってしまった場合に利用できる保険について、給付対象の条件や手続き方法などを詳しく解説します。参考にしてください。

怪我を含む通学中の事故について

通学中の事故として圧倒的に多いのは、交通事故です。通学手段は、自転車、徒歩、二輪車の順で多く、通学中の交通事故のほとんどがこの3つの通学手段によるものです。また、小学生の通学中の交通事故の8割が徒歩、中学生と高校生の通学中の交通事故の約半分が自転車だというデータもあります。

通学中の事故は保険の対象になる

通学中の事故は保険の対象になります。どのようなケースが対象になるのか、わかりやすく解説します。

怪我をした場合

通学中に怪我をした場合、保険の対象になる可能性があります。対象になるのは、怪我を負ったのが「通学中」であることが前提で、かつ医療費の総額が5000円以上かかった場合です。「通学中」とは、通常(いつもの)経路かつ通常(いつもの)通学手段で学校もしくは自宅に移動している最中のことと定められています。具体的な給付内容は、自己負担分の3割に総医療費の1割分を加えた金額です。例えば、総医療費が1万円かかった場合の給付額は、自己負担分の3000円に総医療費の1割にあたる1000円を加えた4000円になります。

病気になった場合

学校の管理下で病気になった場合も、保険の対象になる可能性があります。対象となるのは、「学校の管理下で起こり得る病気」で、具体的には文部科学省令で次のように定められています。学校給食等による中毒、ガス等による中毒、熱中症、溺水、異物の嚥下(飲み込み)または迷入による疾病、漆(うるし)等による皮膚炎、外部衝撃等による疾病、負傷による疾病の8つです。給付の内容は上記項目(怪我をした場合)と同様です。

障害が残った場合

前項で解説した、通学中や学校の管理下でかかった病気が完治せず、後遺症が残ることもあります。この場合も、保険の対象となる可能性があります。具体的には、後遺症の症状が後遺障害に該当すると認定された場合です。後遺障害の等級は、部位や重さに応じて第1級~第14級まであり、等級に応じて2000万円(第1級)~44万円(第14級)の障害見舞金が給付されます。

※参考:障害等級表

通学中の怪我や事故に利用できる保険

通学中の怪我や事故に利用できる保険を検討する人に向けて、代表的な保険を紹介します。

災害共済給付制度

学校の案内で入る保険に、日本スポーツ振興センター(JSC)の「災害共済給付制度」があります。
JSCと学校の設置者(地方公共団体や運営者)との契約により、学校の管理下における児童生徒の災害(負傷、疾病、障害または死亡)に対して災害共済の給付を行います。対象となる学校は、小学校や中学校などの義務教育諸学校、高等学校、高等専門学校、幼稚園、幼稚連携型認定こども園、高等専修学校、保育所等です。

災害共済給付制度の保険料はどれくらい?

災害共済給付制度の運営費用は、国と学校の設置者、保護者の三者で負担します。共済掛金における保護者の負担割合は、義務教育諸学校は4割~6割、そのほかの学校は6割~9割で、残りの額を学校の設置者が負担します。共済掛金の額の詳細は、日本スポーツ振興センター(JSC)のホームページで確認できます。

※参考:共済掛金の額

通学中の怪我、給付対象となる条件

災害共済給付制度の給付対象の範囲は、「学校の管理下における怪我」に限られています。この「学校の管理下」には、通常の方法(いつもの経路といつもの移動手段)での登下校、遠足・修学旅行を含む授業中、始業前の時間、休憩時間、昼休み時間、部活動などの課外指導中が含まれます。

災害共済給付制度の対象外となるケース

「学校の管理下」範囲内の怪我でも給付対象外となるケースがあります。具体的なケースを解説します。

給付対象外となるケース

治療開始から完治までの医療費の総額が5000円未満の場合は、給付対象外です。入院時の差額ベッド代や個室代など健康保険の適用外の治療(自由診療)も対象外。また、生活保護受給世帯の場合も対象外です(障害・死亡見舞金は対象内)。

「通常の方法」による通学以外での事故

給付対象の「通常の方法」とは、いつもの経路といつもの移動手段(徒歩や自転車、自動車、電車やバスなど公共交通機関)のことを指します。悪天候を理由に経路と移動手段を変えた場合や、忘れ物をしたためいつもとは異なる経路と移動で取りに行った場合も、「通常の方法」に該当します。しかし、自動二輪車への2人乗りは「通常の方法」に該当せず、給付対象外となります。

人や物を傷つけた場合

転倒して装着をしていた眼鏡が壊れた場合やお店の窓ガラスを割った場合など、物損にかかわる費用は給付対象外となります。また、登校中に通行人と接触して怪我を負わせた場合など、人を傷つけた場合にかかる補償費用も対象外です。これら対象外の場合は、個人賠償責任保険で補うことができます。

災害共済給付制度における給付金の種類

災害共済給付制度における給付金の種類や給付金額、申請に関する注意事項について、解説します。

医療費

治療にかかった総医療費のうち、自己負担分の3割に総医療費の1割分を加えた金額が給付されます。例えば、総医療費が1万円かかった場合の給付額は、自己負担分の3000円に総医療費の1割にあたる1000円を加えた4000円です。給付期間は初診から最長で10年間です。なお、受診から2年以内に申請しないと時効になり受け取れなくなるので注意が必要です。

障害見舞金

後遺障害が残った場合に給付されます。給付金額は、後遺障害の等級で決まっていて、4000万円(第1級)~88万円(第14級)です。ただし、通学中の事故が原因の場合は給付金額が半額になります。また、申請は病状が固定してからになること、治療の終了または症状が固定した日から2年以内に申請しないと時効になることに注意が必要です。

死亡見舞金

怪我や病気により死亡した場合に給付されます。給付金額は3000万円です。ただし、通学中の事故が原因の場合と通学中の突然死は、半額の1500万円となります。

通学中の怪我、保険金の請求方法は?

災害共済給付金の請求から給付の流れの中で保護者がしなければならないことは、医師から「災害報告書」「医療等の状況」の2種類の書類を受け取り、それを学校に提出するだけです。後は、学校が受け取った書類を日本スポーツ振興センターに提出するなどの請求手続きをしてくれます。審査が通ると保険金が給付されますが、振り込まれるまでに数カ月かかります。初診から2年間さかのぼって申請できます。

災害共済給付制度を受給する際の注意事項

災害共済給付制度を受給するためには、注意すべき事項があります。簡潔に解説します。

治療費の総額は5000円以上か確認する

受給対象となるのは、治療費(医療費)の総額が5000円以上の場合です。具体的には、健康保険により自己負担割合が3割の場合、病院の窓口で1500円以上支払った場合が対象となります。つまり、医療費の総額が5000円未満の場合(同様に病院の窓口での支払いが1500円未満の場合)は、対象外です。

医療費助成制度は申請する

自治体によっては、子供の怪我に対する医療費助成制度があります。病院の窓口で支払いの際には、医療費助成制度の医療証は使用せず、健康保険の自己負担分を支払います。その後、災害共済給付制度の手続きを行うと、自己負担分の3割に総医療費の1割分を加えた4割の金額が給付されます。また、自治体によっては災害共済給付制度と医療費助成制度との併用ができない場合もあります。

保険外治療は給付対象外

前歯を折ってしまい保険外で治療した場合など、保険外の治療は給付対象外になります。また、事故によって破損した眼鏡の修理費や歯の矯正器具費、入院時の差額ベッド代や個室代、松葉杖のレンタル代なども対象外です。

まとめ

本記事で解説したとおり、通学中の怪我や事故の保障として、災害共済給付制度が利用できます。しかし、給付対象の条件があることから対象外となるケースがあります。そこで最後に、公的な交通災害共済制度である、ちょこっと共済についても紹介します。

ちょこっと共済は、東京都の39市町村が共同で運営する公的な交通災害共済で、交通事故に遭い治療を受けた会員に対して見舞金を支給する制度です。
東京都の市町村に住民登録のある方なら年齢・健康状態に関係なくどなたでも加入することができ、会費は年額1,000円または500円と大変安価です。
万が一の事故に備えて、お守り代わりにぜひご加入されてはいかがでしょうか。